顔面のみの美容鍼

Twitterの美容アカウント界隈を見ていると、美容鍼が市民権を得つつあると感じる。

有名人だけでなく、美容にお金を惜しみなくかける女性が鍼だらけの顔の写メを載せて「すごい効いてる〜」とルンルンで投稿している。

確かに、ビジネス的な観点から見ると、美容鍼は需要があって儲かるので「すごいジャンル」であると言えるだろう。

しかし、顔面のみの美容鍼は歴史が浅い上に、科学的な根拠に乏しいのが現状である。

実は、鍼治療で食えない鍼灸師が、一儲けしようと安易に美容鍼灸に手を出すパターンが多いので選ぶ時は慎重になるべきである。

美容鍼を受けている女性たちはどこまでご存知なのだろうか。

鍼治療は一時的なものでは無いのだが(良い治療家であれば回を重ねるごとに症状が良くなっていく)、顔面美容鍼は一時的に「むくみが取れたように見えるだけの錯覚である」ことが多い。

また、施術者の手指消毒や施術部の消毒が不十分であるために炎症が起こったり、内出血したりする可能性も否定できない。

綺麗になろうと美容鍼をしたのに、数日とは言え内出血してしまったら悲しい。

また、どんなに上手い鍼灸師であっても、顔に神経が通っている以上、鍼を刺したら多少の痛みは伴うものだ。

痛くない鍼を目指すのが鍼灸師の努めではあるが、患者さんの個人差が大きいので仕方ないところがある。
(誰にどこを刺しても絶対痛くないと言い切る鍼灸師には警戒した方が良い。そのような人はいないとは思うが。)

パフォーマンス的なものなのか、必要以上に鍼を多く刺す鍼灸師がいるが、効果が認められているツボ以外に刺しても内出血などの可能性を高めるだけである。

その他にも怖いのが、感染症とアレルギー反応である。
感染症については、施術者の手指消毒の徹底、ディスポーザブル鍼(使い捨て鍼)の使用、指サックや手袋の使用、施術部の消毒、といったことをしっかりと行うことでリスクを大幅に減らすことができると言われている。

アレルギー反応は、金属アレルギーやアルコールのアレルギーが考えられる。

アレルギーを甘く見てはいけない。アナフィラキシーショックなど重篤な症状を起こしてしまう可能性があるからだ。

鍼灸師は国家資格であるため、医学系の知識を一通り習っているはずであるが、国家試験だけ通れば良いとばかりにいい加減な知識で済ませている鍼灸師もいない訳ではない。繰り返しになるが、治療院や鍼灸院の見極めが大切である。

身体全体のバランスを整えてくれ、カウンセリングや問診をきちんと行う一般的な鍼灸院で、副次的なものとして美容に効果がある場合も多いので、美容鍼のみで探すのではなく、鍼灸院で探すのも一つの手である。

(例えば、肩こりが良くなると顔面の血行不良が改善されるため、結果として肌が綺麗になるということがある)

余談ではあるが、患部のみを診て患者とコミュニケーションを取らない医者が批判されるのに、顔面のみの鍼で美容鍼と謳うのが野放しになっている日本の鍼灸は危ういのではないだろうか。

コラム

Posted by Yuka